ギフト-NOVEL5
その頃、私立病院、第十一病棟六〇二号室。
「先生、容体が悪化しています!」
「おい君、しっかりするんだ!」
僕は……ここで死ぬのか……。
「しっかりするんだ!」
まだ、やりたいこと、たくさんあるのに……。
「先生!」
「どうした?」
なんの話をしてるんだ……うまく、聞こえない……。
「頑張るんだ、君はまだ生きれるんだ!」
顔色を変えた医師が、僕に語りかける……。
嘘なんて、もういらない……。
僕の血液型は特殊……RH-なんて、数千万人に一人の確率なんだ……。
「君はまだ、生きられるんだ!!」
嘘なんて……もう……たくさんだ……。
僕の意識は、そこで途切れた。
1 / 2 / 3 /4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12