ギフト-NOVEL3
彼の病気を知ったのは小学校に入学してからの事だった。
同じ学区内なのに学校に通っていないことを不思議に思いお母さんに尋ねてみた。
お母さんは暗い顔をしてわたしに話してくれた。
彼はとても思い心臓の病気を患っており、少しでも運動をすると発作が起きるほどとても重いらしいのだ。
そのせいで学校にも通えず、ずっと病院に入院しており、病室からあまり出たことがないらしい。
なら、どうしていつもわたしと遊んでくれてたのだろう。
そんなに重い病気を抱えているのに、なぜわたしと一緒にいてくれたのだろう。
なんで……。
わたしに……。
言ってくれなかったんだろう……。
「なにか考え事?」
「えっ?」
いつの間にか彼はわたしの顔を覗き込むようにして見ていた。
「な、なんでもないよ。」
慌ててにっこりと笑顔を返す、でも彼はなんの反応もしてくれなかった。
寂しい、なぜかそう感じてしまった。
「そういえば、絵は描けたの?」
「まぁね、見る?」
そう言って彼はスケッチブックをわたしに手渡した。
ありがとう、と一言いってわたしはスケッチブックの表紙をめくった。
「これ……。」
そこに描かれていたのは…。
小さい頃見た、あの時と同じように広がる丘の絵だった。
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