ギフト-NOVEL5
突然、わたしの体が宙に浮かんだ。
(えっ……。)
何が起こったのかわからなかった。
体は宙を舞い、地面に思いきり叩きつけられた。
(痛い……でも……。)
わたしは、何故かその時、感じてしまっていた。
(ここで、わたしの未来は……終わるんだ……。)
辺りが人の声で賑わいだす、駆け寄ってわたしの安堵を確かめてくる人もいた。
でも、何を言ってるのかわからない、聞こえない。
(どうせ……ここで終わるなら……。)
救急車がサイレンを鳴らしてやってきて、わたしを担架へ乗せて病院へと向かっていく。
(ここで……終わるなら……。)
わたしは最後の力を振り絞り、側にいた人に告げた。
お願い……もし、わたしが死んだら……。
わたしの……心臓を……。
あの……人……に……。
そこで、わたしの意識は途切れた。
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